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在庫

  • 在庫という言葉は日常生活でもよく見聞きしますが、在庫という勘定科目はなく、会計上は細かく分類されています。

在庫とは?

在庫とは、棚卸資産の事です。
販売や製造の為に保有している資産で、棚卸しによって金額を決定します。

貸借対照表において「在庫」という勘定科目はなく、次の5つで表記されます。

【1】商品

商品とは、仕入れて、売るための品物です。
仕入れたそのままの形で売る物なので、加工はしません。
卸売業、小売業で使用する事が多い勘定科目です。

【2】原材料

原材料とは、製造業等で、物を作るときの元となるもの、これから加工するものです。

【3】仕掛品

仕掛品とは、製造途中のものです。

【4】製品

製品とは、原材料を加工して作られた完成品で、まだ売れていないものです。
「原材料」を加工し、未完のものは「仕掛品」、完成すると「製品」になります。

【5】貯蔵品

貯蔵品とは、販売目的ではなく、事業活動内において使用する為に購入したけれど、未使用のものです。
切手・収入印紙などが該当します。

「仕掛品」は多種多様

仕掛品には、色々な物が該当します。
例えば、販売用に開発しているソフトウェアのように“形”がないものでも、作り途中であれば仕掛品です。
映画制作の仕事は、業務完了後に売上が立つので、作業途中の出費を仕掛品でまとめて、最後に売上計上します。

また、建設業において、建設途中の建物も仕掛品になります。
ただし、勘定科目は「未成工事支出金」を使用します。
科目名は違いますが、仕掛品と同じ意味です。

ちなみに、作り途中の建物に使う勘定科目で「建設仮勘定」がありますが、性質が全く違います。
建設仮勘定は、社屋など、自分が使う固定資産の仮払金(前払金)に使う勘定科目です。
造り途中の建物が商売用である場合は、「未成工事支出金(仕掛品)」になります。

税務調査で引っかかりやすい「貯蔵品」

貯蔵品は、切手・収入印紙など細かい物が多く、少額なら、在庫計上せず経費にしてしまっても、実務上問題はありません。
ただし、金額が大きい物は要注意です。

例えば、会社案内のパンフレットを10万枚、印刷会社に頼んで作った場合を考えてみましょう。
パンフレットは、それ自体が販売目的の品物ではないので、決算の際、余った分は貯蔵品として在庫計上しなければなりません。
今期、新規顧客を獲得する為、そのパンフレットを7万枚、配付しました。
そして、未配付の3万枚の内、5,000枚は配付準備をし営業部の社員に500枚ずつ渡した、とします。
決算の際、在庫計上するのは何枚でしょうか?

ポイントは、2つ。
  ●封を開けた物は経費としてOK
  ●未開封の物は在庫計上する必要がある

パンフレットのような印刷物は、大抵、決められた数毎に包装されて納品されます。
10万枚のパンフレットだったら、1,000枚ずつの包みが100個納品されるといった具合です。
未配付の3万枚の内、5,000枚は配付準備のため包みを開封しているので、経費に出来ます。
そして、残りの未開封の2万5,000枚を、貯蔵品として計上する事になります。

大量の印刷物は、量に応じて金額も大きくなります。
うっかり処理を忘れてしまうと、税務調査で引っかかります。

注意すべきは付帯経費

在庫に分類される品々を購入する際、付帯経費として、送料(運送費)や設置料がかかることがあります。
それらの付帯経費も、決算の際には一緒に在庫計上する必要があります。

在庫の場合、頻繁に出てくる付帯経費は、送料(運送費)です。
実務上、少額であれば経費としてしまって問題ありませんが、購入金額に対し3%超の送料がかかっている場合は、経費に認められないので要注意です。
送料も含めた金額を在庫計上しましょう。

ただ、その処理はとても煩雑になります。
そこで、送料を購入者(自分)持ちにするのか、販売者(相手)持ちにするのかが、ポイントになります。
在庫となる物を購入する際は、送料は販売者(相手)側に持ってもらい、その代わり、買値を調節しましょう。
支払う金額はトータル同じでも、その後の会計処理が全く変わります。
特に金額が大きい場合、付帯経費の有無が会計処理に大きく影響するので、要注意です。

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